三井住友銀行 導入事例

指静脈認証装置
三井住友銀行
部長代理 松本 匡史 氏/伊藤 麻衣 氏
(取材日:2006年9月6日)
指静脈認証装置
三井住友銀行
部長代理 松本 匡史 氏
     伊藤 麻衣 氏
(取材日:2006年9月6日)
キャッシュカードの安全性と利便性を向上させるために、銀行をはじめ各種金融機関での生体認証導入が相次いでいる。株式会社三井住友銀行(以下、三井住友銀行)は、2005年12月に「指静脈認証による生体認証ICキャッシュカードのサービス」を開始しました。さらに2006年3月には、同行が運営するコンビニATM・@BΛNK端末約1,100台すべてを指静脈認証対応ATMに入れ替えました。日立チャネルソリューションズは、指静脈認証装置、ATM、窓口用の静脈パターン登録装置などの製品を提供するとともに、生体認証導入プロジェクトのまとめ役として、短期間での全国展開を強力に支援しました。

使いやすくてわかりやすい、幅広いお客さまへの安全の提供を重視

株式会社 三井住友銀行
マスリテール事業部
リテール商品グループ
部長代理 松本 匡史氏
「お客さま第一主義」を掲げ、顧客のさまざまなニーズに迅速かつ的確に対応する銀行を目指してきた三井住友銀行が、生体認証の導入を検討し始めたのは2004年11月のことです。「重視したのはお客さまにとっての使いやすさです。一人でも多くのお客さまに、偽造や盗難の心配がない生体認証のメリットを理解し、利用していただくためにシンプルでわかりやすい技術を採用したいと考えました。」と同行の松本氏は当時を振り返ります。

当社の指静脈認証を採用いただいたのは、認証精度の高さと認証スピードの速さを実現し、ATMに装着する認証装置がコンパクトであるなど、お客さまにとって使いやすい技術であることにご評価いただきました。2006年10月からは、全国1万3千台のATMでサービスを開始する郵便貯金と三井住友銀行の生体認証ICキャッシュカードが相互に利用できるようになり、2007年5月からは提携先金融機関との相互利用サービスがさらに拡大する見込みです。

「1つの銀行で設置できる生体認証対応のATM台数はメガバンクでも数千台レベルですが、1万台を軽く超える郵便貯金ATMでも利用できるとなると、お客さまの利便性は格段に向上します。『利用できるATMが多い』ということは、生体認証ICキャッシュカードという安全性の高い商品を幅広いお客さまに利用していただくうえで、非常に大切な要素だと考えています」と松本氏は強調します。

「am/pm」にあるコンビニATM・@BΛNK1,100台すべてを生体認証に

「銀行ATMの決め手はスピードでした。ほんの数秒ずつ余分にかかってもお客さまが並んでしまう結果になりますから、認証スピードが速いことを重視しました。一方、コンビニATMの決め手は装置のコンパクトさです。そして、どちらの視点でも指静脈認証が優れていました。」(伊藤氏)。
三井住友銀行は、コンビニエンスストア「am/pm」の店頭に設置しているコンビニATM「@BΛNK」の端末約1,100台も運営しており、2006年3月に更新時期を迎えたのを機に、全台を生体認証対応ATMへと一気に入れ替えました。「コンビニATMは銀行ATMより12センチも幅が狭いうえに、ATMの奥や左右にゆとりがまったくありません。追加する認証装置には、コンパクトさが強く求められました」(伊藤氏)。

もともと日本のコンビニATMは、1999年3月に旧さくら銀行(現・三井住友銀行)がam/pmに設置したのが始まりです。三井住友銀行はコンビニATMの重要性を早くから予見していたが、お客さまの「より便利に」という声をしっかりと受け止め、コンビニATMの生体認証対応にも先鞭をつけました。
「約1,100台のコンビニATM全台を一気に生体認証対応にするというやり方は、思い切った投資に見えるかもしれませんが、実は効率良い投資になっているのです。一旦ATMを設置した後に認証装置を追加するとなると、かえってコストがかかることを見越したうえでの決断です。」(松本氏)。
株式会社 三井住友銀行
マスリテール事業部
リテール商品グループ
伊藤 麻衣氏

導入プロジェクトにおいて中軸の役割を果たした日立チャネルソリューションズ

指静脈認証対応ATM
三井住友銀行は2005年12月に生体認証サービスを開始するのにあたり、まず有人店舗約500ヵ所で合計約1,000台のATMを生体認証対応とし、さらに2006年3月には約1,100台のコンビニATMすべてを生体認証対応機に入れ替えました。指静脈認証の採用を決めた2005年2月から短期間での大量導入プロジェクトを遂行しましたが、このプロジェクトを計画通りに進める際に三井住友銀行を補佐したのが、日立チャネルソリューションズです。

「生体認証導入プロジェクトには、ATMメーカ、カードベンダ、システムインテグレータなど合計10社ぐらいが参画しました。ATMメーカについては複数ベンダを採用していますが、日立チャネルソリューションズはそうした競合の垣根を越えてよく全体をとりまとめてくれました。」(松本氏)。指静脈認証装置、ATM、窓口用の静脈パターン登録装置など信頼性の高い製品をタイムリに供給するのはもちろんのこと、このプロジェクトを成功させることを第一義に考えた提案と助言に尽力しました。
三井住友銀行は2006年度中に無人店舗を中心に、さらに約1,500台の生体認証対応のATMを設置する予定であり、これで同行約7,000台のATMのうち半数が生体認証対応となります。また、引き続き2007年度以降も生体認証対応ATMの台数を増やし、お客さまの利便性向上につとめていく一方で、生体認証をセキュリティ向上の重要な技術の一つに位置付け、例えば本人確認の方法として、印鑑照合の代わりに生体認証を使うなど利用範囲の拡大を検討しています。セキュリティと利便性の向上という、一見相反してしまいそうなお客さまの要望に対しても、三井住友銀行は「お客さま第一主義」に基づき、真摯に取組んでいきます。
※ 本記事に記載された情報は取材時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
指静脈認証装置

指静脈認証装置

指静脈認証装置

指静脈認証は耐偽造性が高く、衛生面にも優れた生体認証方式。窓口や自動機での本人確認の強化、高セキュリティ化をサポートします。
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