自動精算機の導入により患者さまご自身で精算処理が行えることから、スタッフさまの負担が軽減できます。精算で使われる釣銭の準備はレジの時と同様に必要ですが、自動精算機へのセットと補充だけで、会計ごとの患者さまの支払いや釣銭の受け渡しの対応が不要になります。
釣銭の補充頻度を減らすことが、自動精算機の効率的な運用につながります。診療時間内に釣銭切れが発生してしまうと精算処理をできなくなり、患者さまにご迷惑をかけるだけでなく、スタッフさまの業務も中断してしまいます。そうならないようにしたいものです。
今回、釣銭切れを起こさない適切なタイミングで補充することを考えてみましょう。ポイントは、「紙幣や硬貨が収納可能な容量」と「患者さまが支払った現金をお釣りに使える機能」(これを「還流機能」と呼びます)の有無です。
釣銭切れを起こさないためには、一日に必要な量をあらかじめ収納しておくというのが一つの手段です。ただし、容量を増やそうと思うと装置が大きくなり、設置場所が限定されてしまいます。また、容量だけに頼ってしまうと、準備する釣銭の金額が大きくなってしまう弊害も出てきてしまいます。
- 還流機能(患者さまが支払った現金をお釣りに使える機能)
収納可能な容量が大きくても支払いで投入された現金がお釣りに使えないと、セットした現金がなくなれば釣銭を出すことはできなくなります。支払いの現金をお釣りに使える機能がある自動精算機では、釣銭の補充頻度を低減することができます。また、あらかじめ用意する釣銭準備金も少なくすることが可能です。
現金の還流機能を備えた装置は高度な技術を有し、またその機構が必要なため高額かつ装置が少し大きくなります。意外と盲点になりやすいのが、5千円札がお釣りとして使えるかどうかという点です。
例えば、診察費が4,500円など5,000円未満の際に1万円札で支払う場合、還流機能があると5,000円分のお釣りが5千円札1枚で済むのに対し、還流機能が無いと千円札が5枚必要になります。このようなケースが20件あると、5千円札20枚と千円札100枚と準備が必要な紙幣の枚数が大きく変わってきます。
このように5千円札が還流・放出できる装置は、補充頻度の低減と釣銭準備金の少額化が図れます。硬貨についても、還流・放出できる金種に制限があるとスタッフさまの釣銭に関する手間が増えることにつながります。